第四講義からpart2である。Part2は形式の規則である。形式とは建築で言えば出来上がったもの。素材の集合。そこに現われるのは形状と大きさである。建築に近づくにはもっとも親しみやすい部分であろう。たとえば建築学科の学生が最初に扱うのはまずこの形。何故か?質料性は学生ではなかなか手に負えない。なぜなら教室の中にほんものが見当たらないからである。街に行けば転がっているが、教室には無い。更に大学における建築教育とは縮尺のある図面と模型によるヴァーチャルな世界の中で行われる。だから本当の質料は社会に出て一分の一を作るまでなかなか分からない。
一方関係性は比較的分かりやすいが内容がかなり高度で視覚的に即座に理解できるものではない。そうなると消去法的に残っているのは形式なのである。さてそこで本講は形式の第一として形状の話である。そこで今までと同様に対義語というスケールへの適合を考えるのだが、形状というあまりに巨大で無限な世界を対義語にまとめることが可能だろうか?最初はお手上げだったが肩の力を抜いてふっと昔図面を書いているときのことを思い出した。定規で簡単に描ける形がある一方でとても図面化できそうもないという形があったことを。そしてその間に決定的な差があると思った。それは設計する側にしても、作る人にとっても、そして見たときの印象は確実に全然違うはずである。
I 箱が生まれるまで
1)新古典の登場まで
a, 17c Italy
b, 17c Southern Netherlands
c, 17c England
d, 17c France
e, 18c France
2)ルドゥーからル・コルビュジェまで
−エミール・カウフマン 『ルドゥーからル・コルビュジェまで』
i. J-F Blondel 1705-1774
ii. M-A Laugier 1713-1769
iii. J-G Soufflot 1713-1780
iv. C-N Ledoux 1736-1806
v. J-N-L Dourand 1760-1835
vi. V-L Duc 1814-1879
vii. Le Corubusier 1887-1965
II コルの箱とロースの箱
III 箱が維持されるとき
−コールハースのミース再評価
妹島和世の箱
IV 箱が壊れる時
1)the function of the oblique
a, 斜めは身体に訴える
b, 斜めの教会
2)zoomorphics
a, IBM competition
b, Animal as symbol
c, Animal by function -statics
d, Animal by function -dynamics
e, Animal by accident
V 箱の中の袋 or 袋に入った箱
1)箱の中の袋
2)袋に入った箱 —奥山信一
《参考文献》
[A]…講義の理解を深めるために是非一読を(入手も容易)。
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