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Oct 2020

2020年度後期 第6回(建築外)『美術展の不都合な真実』

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by Kai Yamaguchi

『美術展の不都合な真実』

古賀 太 著

新潮社

議題

① この本を読んだ後で、自分が実際に行ったことのある展覧会について気がついたことはあるか?(主催は?美術館は?展示の方法は?など)

② 現在のマスコミが主催する美術展についてのあなたの意見
第一章に書かれてあるような問題(展覧会の商業化、美術館がコレクションを持たないこと、イベント会場化)について客の立場や美術関係者などの立場で

③ 都美館に倣いイベント会場化しているp98のような状況にある地方の美術館についてどう思うか

④ 2や3について建築ができる事はあるか

⑤ 今後の美術館のあり方についてのアイデア

2020年度後期 第6回(建築)『戦後建築の終焉ー世紀末建築論ノート』

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by Kai Yamaguchi

『戦後建築の終焉ー世紀末建築論ノート』

布野 修司 著

れんが書房新社

議題

① 1960年代、工業化やテクノロジーの発達に伴い、空間の均質化、風景の均質化に至った。そこから半世紀経った今はどのような風景と言えるか、そしてこれからどのようになっていくだろうか

② 近代日本における建築論では日本的なるものを巡って論を展開してきたが、筆者は、[日本]というフレームは失効したと述べている。その[日本]のフレームは失効したままでいいと思うか?
現代に日本的なるものがあるとすればそれは何?

③ 磯崎による[大文字の建築]、原による[様相]。自分の考え方として近いと感じることはあるか。(p259-)

④ 素朴ヒューマニズムについて、ヒューマニズムと機能主義と美は三位一体であるとしつつ、それが一度に実現することが不可能であればその成果としての作品が高い美的水準のものかは問題にならない
としている。今でもこの三つの指標は有効か。今の建築は何が指標となっているか。(p125)

⑤ この本が書かれたのは1995年で、その当時は地球のデザイン(p278)はこれから始まると言っている。地球スケールで(都市や地域のスケールでも可)設計を考えたことがあるか。またそういう例を知っているか。

2020年度後期 第5回(建築外)『戦後思想の到達点』

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by Kai Yamaguchi

『戦後思想の到達点』

柄谷 行人 見田 宗介 +大澤 真幸 編

NHK出版

議題

① 柄谷氏が、新しい着想を得る場合、基本的に何かを読むというスタイルを取るとの記述があるように、皆さんにも、建築学の理論や考え方といったものに限らず、「何かを読む」ということをした上で、知識を得た経験を教えてください。 (p.74より)

② 文中に取り上げられているように、マルクスの変化は、たんに時間的なものでなく空間的な移動とともに生じたことが大きいと、ある。コロナ環境下である現代において、空間的な移動が一時的に制限されるという経験をした我々は、コロナによって建築の設計理論、価値観に変化が生じると思われるか?
また、コロナの期間を経て、空間的な移動そのものの大切さを再認識するようになるか?

③  本を読み終え、ディスカッションを経て – 日本の「戦後」という時代的な枠について、本著に触れる前と後で、自身の認識に変化は生じたか?

④ 終章の末尾に、「交換様式D—交響するD―たえず遊動していることに等しいかたちで人が根をもっていることになる」という、一文があります。 仮に、此処で書かれている価値観が多くの人々に受け入れられた際には、人と建築の関係性はどのようなものになり得ると考えられるか?

2020年度後期 第5回(建築)『建築夢の軌跡』

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by Kai Yamaguchi

『建築夢の軌跡』

多木 浩二 著

青土社

議題

① 本書では、筆者が7人の建築家を挙げ、それぞれの建築的なプロセスについて論じているが、その中で共感したもの部分とその理由について

② 篠原一男について筆者は、見えない無意識的な空間の設計手法に良さがある(p.40)としているが、自分自身が設計する際に意図してはいないが改めて見ると共通していることはあるか?なぜそういう風に考えているのか?

③ 伊東豊雄の「中野本町の家」のようにクライアントと共に生き、そして消える建築(p.179)の考え方はリノベーションが普及している現在においてとても特殊になってきていると感じるがその考え方に対してどう考えるか?

④ 坂本一成の函館公立大学の案(p.213)の中にあるメディア・ステーションは珍しくなくなっているように感じる。現在、コロナ中において大学という場にもこれから変化が訪れてくるのではないかと考える。そこで、これからの大学建築はどのように変容していくのだろうか?

⑤ 3章では、表象化しないような都市に筆者は魅力を感じているように思う。そこで、ふとした時にその街を思い出す景色はあるか。それはどんなところから感じるものか?

2020年度後期 第4回(建築外)『社会学入門中級編』

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by Kai Yamaguchi

『社会学入門中級編』

稲葉 振一郎 著

有斐閣

① 社会への認識が社会運動へと繋がるとあるが個人的に気になっている社会問題はあるか

② 自分の勉強している建築に関する内容はこの本で言う理系と文系のどちらに寄っていると考えますか

③ P140に言語は人間にとって外在的実在とあるが、皆さんはどう考えているか

④ P160に社会問題の例として大衆と少数派の貧困問題をあげている 建築において工業化は大衆の貧困問題に寄与できたが 少数派に対しては何ができるか

⑤ この本の感想をお願いします

2020年度後期 第4回(建築)『住まいと家族をめぐる物語ー男の家、女の家、性別のない部屋』

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by Kai Yamaguchi

『住まいと家族をめぐる物語ー男の家、女の家、性別のない部屋』

西川 祐子 著

集英社

議題

① (P.189マトリックスより)皆さんの住んでいるところはどの間取りに当たりますか?
そこは誰の家でしょうか?(誰が一番滞在しているか、マトリックスの部屋に特徴があるなどから)

② 今後は都市部では家庭の単位は何人くらいになると思いますか?性別はなくなると思いますか?そこから、間取りなどの変化はありそうですか?

③ ②に関して、地方はどうでしょうか

④ ニュータウン(第10章、多摩ニュータウンなど)や団地(P.142)の今後の在り方、あるいは同室集団で住むこと(P.185、ももやまなど)で設計課題が出されたら、どんなことを考えますか?

⑤ 老後はどこで暮らしたいですか?自分の家を持ちたいですか?そこで最期まで過ごしたい、などありますか?

2020年度後期 第3回(建築外)『崇高の美学』

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by Kai Yamaguchi

『崇高の美学』

桑島 秀樹 著

講談社

議題

① 石、山、大地…などそういった「天」ではなく「地」的な要素から何か思考が始まったことがあるか

② カントとバーグの崇高の概念の違い バーグからカントへの移行で美学における美的特質たる「いわく言い難いもの」がなくなった 建築も建築要素のみに自律的になり、モダニズムでは多くのものを削いだ 現在では建築でどんなものがなくなって、どんなものを取り戻そうとしているのか p.95

③ 人間と自然の関係が人間とテクノロジーの関係へと変化したことで(p.188) カントの言う自由な大人の精神(倫理観)のようなものは変化しただろうか p.103

④ 建築は表象不可能性をどうやって乗り越えるべきか そもそも建築は何か精神や、考え、性格、概念のようなものを持てるのか p.125,215,226など

2020年度後期 第3回(建築)『中廊下の住宅』

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by Kai Yamaguchi

『中廊下の住宅』

青木 正夫 岡 俊江 鈴木 義弘 著

住まいの図書館出版局

議題

① 本書では部屋の使われ方が来客優先から、家族重視に変わっていく過程が説明されていますが、実際に部屋の使い方や位置づけの差を感じたことはありますか。(今と昔、日本と海外など)

② 住宅を設計するときに部屋の配置について意識する点は何ですか。

③ 建築計画学は未来を予見するためにあるといった記述がありますが、この本を読んで、もしくは研究などを通して、今後のこう変わっていくだろうと思うことはありますか。(住宅について)

④ 居間中心型を建築家が提唱しても思うように定着しなかったということが述べられていた。建築家が新しい形を提案しても変わっていかないことについてどう思いますか。

2020年度後期 第2回(建築外)『拡張するファッション』

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by Kai Yamaguchi

『拡張するファッション』

林 央子 著

スペースシャワーネットワーク

議題

① ファッションをどのように楽しんでいますか, ファッションがあなたの日々の生活にもたらすものは何ですか

② 雑誌やブランドの話が多いですが、そういったものを身近に感じますか、どう思いますか

③ ファッションにおいて何から影響を受けていますか(雑誌?ブランド?)

④ 自分の中でファッションの拡張性を感じたことはありますか

⑤ 建築を拡張させる手がかりはどこにあると思いますか

2020年度後期 第2回(建築)『点線面』

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by Kai Yamaguchi

『点線面』

隈 研吾 著

岩波書店

 

議題

① 隈さんは「ヴォリューム」を否定し、それを分解した「点・線・面」を推していますが、 みなさんはどっち派ですか?

② 建築と音楽の親近性が述べられています。(p18~20)
建築も音楽も現在、作者の絶対性が薄れ、可変性が増したが. これからはどうなっていくと思いますか?

③ カンディンスキーと点の建築について(p.92 l.16)
「点の建築は石版画と同様に永遠に修正が可能」。日本の伝統木造建築の様に点と線で大部分が構成される様な建築でない限り、建築における「点の部分(本書の瓦や市松模様)」のみそうなのではないでしょうか。

④ 砂利と離散性について(p.101 l.8,p.104 l.7)
「線路に敷かれた砂利の様な建築」という考えに私は賛成します。そこで、点と点が距離を置いてゆるやかに自然と人間をつなぐ離散的状態を体現している建築はあるでしょうか。

⑤ コンピューターについて(p.146 l.10)
「〜無限回の計算、無限回の試行錯誤」で自然に迫ろうとする。
これは機械的で擬似的なようにも思う、P50の図50は自然の本質なのか。今後のこの様なパラメトリックなデザイン,スタディについての是非。