第5回 (建築) 『日本建築の空間』
著:井上充夫
SD選書
230519_日本建築の空間_一柳
議題
- 現代建築は実体的なものに着目した空間(彫塑的空間)に戻っていると感じますか?
序章では昔の日本人は実体的なものに興味があると書かれています。そしてそれらの関心は「彫塑的構成の空間」へと変化していきますが、平安時代にかけて彫塑的構成の対をなす「絵画的構成の空間」が出現します。本書の3章(P89)ではこの時代に最も栄えた後に急速に衰えて現代にかけては死滅したと書かれています。そして現代においてはリノベーションをはじめとして、建築の部分(柱や梁などのモノ単位)から空間を考える設計手法が散見されます。このことから現代建築は彫塑的構成の空間に近しい空間へ戻って来ていると感じますが皆さんはどう思いますか?
- 「間」という空間の表現方法と、それらが与える効果についてどう考えますか?
4章では内部空間の発展の要因として「付加」と「分割」があると書かれています。これらの操作によって生まれる具体的な空間は様々ですが、殆どの物は「間」という概念で括られるのではないかと感じます。そこであなたが考える「間」とはどのように表現され、どのような空間的な効果があると考えますか?またはこの設問に対する反論でも構いません。(それは「間」とは言わないとか)
- 今までで「行動的空間」を感じた建築とそう感じた要因を教えてください。また海外で感じた建築があればぜひ教えてください。
「行動的空間」は非常に日本的な空間であると感じます。これらの空間は幾何学的空間と比較して全体像を見せないところが特徴的であり、日本人の性格(婉曲的な言語表現など)にも通じるところがあると思います。そこで日本で見た建築でどういう要素が行動的空間だと感じたのか、または海外なのに「行動的空間」を感じた建築があれば教えてください。