2020年度後期 第11回(建築外)『マルクス・ガブリエルー欲望の時代を哲学する』
『マルクス・ガブリエルー欲望の時代を哲学する』
丸山 俊一 著
NHK出版
議題
①「人間性」について(p193〜)
・人間は「動物プラス技術」、「動物にならないようにしている動物」という記述がありますがこの定義に共感しますか?
・自分なりの人間の定義があれば教えてください(人間であることの意味、大切にしていることなど)
② SNSの利用について (p80、p185〜)
(・SNSは社会的現実を破壊する
→人間の道徳は、他人の身体的な存在についての経験によって左右される。その距離から離れれば、道徳はなくなる
・SNSなどによる結びつきが強いせいで統一性が失われる
・人々の距離、分断にもつながってしまう。ただ鏡を見ているだけで、他人のことはもう見ていないような)
SNSの利用について本書では否定的な立場がとられていますが、あなたはSNSをどのように使っていますか? SNSを使う理由、SNSに肯定的・否定的な理由などあれば教えてください。
またオンラインでコミュニケーションをとることが多くなりましたが、記述されているような現象は起こっていると思いますか?
④ 建築の捉え方についてp107〜
建築を実存主義・構造主義のどちらの視点から捉えていますか?
実存主義:「実存は本質に先立つ」(まず建築が存在する、そして建築に意味を与える)
構造主義:様々な要素から出来上がった構造が、建築に意味を与える
と置き換えたら…
一般者と建築家の間の葛藤。もしプレゼンが模型だけだったら?
差延についてp112
存在しない文の終わりは、存在しないが文に構造を与えるのだ。存在しないもの、つまり未来が、現在起きていることに構造を与えている
という記述がありますが、図面を引く際にも同じ感覚を持っていますか?
模型を作って初めて自分が作っていたものがわかる、もともとイメージを持っている、などなど
⑤ 抑圧についてp224〜
現代の東京が、素晴らしい達成であると同時に抑圧を抱えているとありますが、普段抑圧を感じるのはどのようなときですか?
都市環境はどのように抑圧を軽減できると思いますか?
2020年度後期 第10回(建築)『建築史の基礎概念(前半)』
『建築史の基礎概念』
パウル フランクル 著 香山 寿夫 訳
鹿島出版会
議題
① 宗教建築・第一段階より
主空間・主軸線に対してリズミカルな付属空間群の存在について、自身が設計の際にリズム生み出す操作をしたことがありますか?それはどんな操作ですか?
② 〃・第二形態p128より
空間形態の構成要素は独立したものではなく、全体が“分割された断片”であり全体空間の中で浮遊・吊るされていると書かれている。今まで見た建築物でこういったことを感じたことがあれば教えて下さい。
③ 〃・第三形態p154より
第三段階において、全体空間は微積分的である・高等数学の助けを借りて初めて達成されたものとありますが現代において数学方式を利用した建築物が今後増えていくと思いますか?(AIの活用等)
④ 世俗建築・第一/第三段階より
“螺旋階段は垂直方向への引力が強く各階との関係性が薄い”“シンメトリーの二つ腕を持った階段は建物全体を一つにまとめる要素”というように、自身が設計の際に階段を設けるときに意識することはありますか?
⑤ この本を読んで思ったこと・感想等
2020年度後期 第10回(建築外)『広告都市東京』
『広告都市東京』
北田 暁大 著
筑摩書房
議題
① 主に80年代から00年代について述べられている本書の内容と比較して、2020年現在のメディア・都市・コミュニケーションについて考えたことを教えてください。
② p129,148 「見られていないかもしれない=接続されていないかもしれない」SNSをどのような目的で使い分けていますか?
③ p81 シュミラークルは良?悪? 記号ではない建築はあると思いますか?
④ p109「都市」に何を求めていますか?
⑤ 「現実空間は<リアルな>ケータイ・コミュニケーションを継続させるための素材に過ぎない」という考えに対して、設計者として意見してください。
2020年度後期 第9回(建築外)『はじめての構造主義』
『はじめての構造主義』
橋爪 大三郎 著
講談社
議題
① 構造主義についてどう考えていたか、この本を読んでどう思ったか
② p47 言語の恣意性 言語が異なると世界の区切りも異なる 経験したことがあるか、建築にもあるか
③ p152 ヨーロッパの知のシステム →真理ではなく実は制度
p168 数学 →図形の一群に共通する骨組みのようなもの、抽象的なもの では、建築でいうと何か
④ 建築において構造主義をおくとしたらどう考えるか
2020年度後期 第9回(建築)『メディアとしてのコンクリート(後半)』
『メディアとしてのコンクリート』
エイドリアン・フォーティー 著 坂牛卓+邉見浩久+呉鴻逸+天内大樹 訳
鹿島出版会
議題
① 6-10章の中で自分にとって印象的、共感できた内容や章について教えてください。
② 第6章では宗教施設について触れられています。日本にはあまり打ち放しコンクリートの教会作品がありませんが、教会作品についてどう考えますか?
③ 第7章で記念物は一般的なサイズから大きなものまでコンクリートで作られているとありますが、自分なら記念物を作る時にコンクリートを使いますか?記憶を表現できると思いますか。
④ 自分が作品の中でコンクリートを使用するときの主な理由は何章の議題が近かったですか?
⑤ 10章の最後にコンクリートは文化が変わるにつれて変化してきているとあります。変わり方を模索した時にどのような使われ方が考えられますか?未だにコンクリートの重量感を感じているが軽さを表現する材料になることはあると思いますか?
2020年度後期 第8回(建築)『メディアとしてのコンクリート(前半)』
『メディアとしてのコンクリート』
エイドリアン・フォーティー 著 坂牛卓+邉見浩久+呉鴻逸+天内大樹 訳
鹿島出版会
議題
① コンクリートに対して近代的か、後進的か、どちらで設計の際に捉えることが多いか。
② コンクリートに歴史を刻むにはどうしたらよいか。
③ コンクリートには粗く見せるものと、平滑に見せるものとがあり、現代は粗く見せる方向に寄っている。それはなぜか。
④ ”自然”素材と”非自然”素材を組み合わせるとき、2者の折り合いを設計の中でどのように考えているか。
⑤ 工学的にコンクリートに寿命が来た時、その建築は壊すべきか、構造補強を繰り返して保存していくべきか、あるいは壊してもう一度同じ形、同じ仕上げで打ち直すべきか。
2020年度後期 第8回(建築外)『歴史学の思考法』
『歴史学の思考法』
東京大学教養学部歴史学部会 編集
岩波書店
議題
① 第1 章 歴史に法則性はあるのか
小氷期における飢饉を代表するように、農業分野以外でも環境が歴史に与えてきた影響は大きいと思います。現在、温暖化による環境リスクを抱える中で、COVID19 の世界的流行により、一定期間経済活動が停滞する中で、深刻であった環境汚染に改善がみられることが世界的に確認されており、環境に対する問題改善が実現可能なものとして意識が変化したのではないかと感じます。建築においては高層建築において木造を取り入れることで、環境に対して貢献できるのではないかという研究もされています。次世代に向けて建築的視点から環境改善にアプローチする方法として他に何が考えられると思いますか。
② 第4章 人々のまとまりをとらえなおす
第5章 現代社会の成り立ちを考える
交通網、通信の発達で世界は身近なものとなり、学びや生活の場所として、出生国以外での生活も選択肢として考えられるようになりました。その一方で地域の中にその国とは別の文化をもつ人種が集まることでの争いも多くなったと感じます。グローバル化する社会の中で、自国民の労働確保、自国の文化の保護など国家としてのあり方を考える要性も感じます。これまでのように世界的な結びつきを重視するのか、国家を再認識するのか、これからどのような時代に突入していくと思いますか。
③ 第1 章 歴史に法則性はあるのか
これまでの歴史を振り返ると、感染症の流行はその後の建築や都市計画に大きく影響を与えてきたように思います。現在はリモートワーク導入よる郊外への移住ということも注目されていますが、歴史的にも、感染症の流行時には感染者の多い都市部から郊外への移住というのもあったようですが、その後を見ると都市部への回帰というのも特徴のようです。これ以外にも、これまでの歴史から考えられる影響はどのようなことだと思いますか。
2020年度後期 第7回(建築外)『ブルーノ・ラトゥールの取説』
『ブルーノ・ラトゥールの取説』
久保明 教 著
月曜社
議題
① 第一の発想(道具説的発想)、第二の発想(社会構成主義)、第三の発想(アクターネットワーク論)の三つの発想がこの本で説明されているが、自分の考えと近い発想はあるか、もしくは納得できるものはあるか。
② p.119 後ろから3行目~
「パストゥールの語る乳酸発酵素と正確に対応する物質はパストゥール以前に存在しない。対応を生み出す関係性がパストゥール以前には構築されていないからだ。」とあるが、この考えに対して賛成派か反対派か、とその理由。
③ モダニズム ポストモダニズム ノンモダニズム
ノンモダニズムの観点から建築を考えることに価値はあるか、もしくは過去にそれに近い考えや建築があったか。
ex)「高岡のゲストハウス」 ノウサクジュンペイアーキテクツ 能作文徳建築設計事務所(共同設計)
『建築におけるアクター・ネットワーク」とはなにか』
建物は建築資材というモノの集合によってできている。建物の空間構成に重きを置いて捉えたならば、モノは空間を構成する部品でしかない。モノに内在した履歴やプロセスに着目するならば、モノは能動的なアクターとしてストーリーを語りはじめる。建物はさまざまなモノをひとつの場所に繋ぎ合わせるネットワークの結び目となるのである。
④ 「共通世界」とはどのような世界のことか
p.160 l.7~
「より多くの多様な結びつきをたどることによって、互いに異質で噛み合わない諸アクターがどうすれば同じ世界(共通世界)を生きられるかを探ることができる。」
p.246 l.11~
「異種混交的なアソシエーションを組みなおしながら、諸アクターを共有できる世界」
建築における「共通世界を生きるアクター」とは
2020年度後期 第7回(建築)『新編ー住居論』
『新編ー住居論』
山本 理顕 著
平凡社
議題
① 今皆さんが住んでいる集落は何型ですか?(a . ぺトレス b .クエバス型 c .メデイナ型)
② 日本の住居形態は欧米の住居形態と何が違い点がありますか。
③ コロナ生活、新しい働き方、住宅に直結する問題についてどう考えますか。(public&privacy 、領域)
④ 一人暮らしの場合、「public」を感じるところがありますか。