2020年度後期 第1回(建築外)『色彩の哲学』
『色彩の哲学』
村田 純一 著
岩波書店
議題
① 本書で共感した考え方や新しく気づいた考え方はありましたか?
② 本書では、色彩の様々な性質が挙げられています。読んでいて、自身の実体験とつながった等の性質があれば教えてください。
③ 色彩の本性とは何だと思いますか?
④ 色彩は建築を考える上でも、大きな影響があると考えます。本書の通り、様々な性質を持ち、曖昧な色彩とどう向き合うと良いと考えますか?
『色彩の哲学』
村田 純一 著
岩波書店
議題
① 本書で共感した考え方や新しく気づいた考え方はありましたか?
② 本書では、色彩の様々な性質が挙げられています。読んでいて、自身の実体験とつながった等の性質があれば教えてください。
③ 色彩の本性とは何だと思いますか?
④ 色彩は建築を考える上でも、大きな影響があると考えます。本書の通り、様々な性質を持ち、曖昧な色彩とどう向き合うと良いと考えますか?
『近代建築そもそも講義』
藤森 照信+大和ハウス工業総合技術研究所 著
新潮社
議題
① 日本の家を明るくしていく部分が本書では書かれているが自分の設計ではどのように光や空間の明暗を設計しているか?
② 日本の伝統的家屋に使用されている畳や障子また庇など、現代の建築にも再挿入すべきものはあるか?
③ 政治的な後押しが強かった江戸時代や明治の建築のスタイルはとても顕著である。今は政治性が建築に反映されない時代であるがその良し悪しは?
④ 建築を作る材料には様々な効果があると思うが自らの設計では、どのような建築材料を使っている?
⑤ 建築にまつわる時代の文脈を考えていくと今の時代はどんな文脈がある?それは建築に現れるものなのか?
『生活の装置』
長谷川 逸子 著
住まいの図書館出版局
① 「敷地にベストなボリュームを立ち上げ、内部は生活を受け入れる積極的なガランドウ=ヴォイド」→「変化に対応する装置」(p15)「どんな生活も受け入れる自由さ、リアルな生活の場」(p21)「住まう側にセンスやエネルギーがいる。」p270
② 公共建築における行政、議会、権力者の姿勢と建築家のかかわり。P35,44
「行政は、クライアントとして公共建築を使うための理念ができていない。」
③ 対話を通して建築を作る重要性。
「建売の設計プロセスに住み手はかかわっていない」(p171)
「子供たちとのワークショップ」(p272)
「住宅は人間の巣、生命の部屋→建築のレベルだけで考えていては不可能。」
大学教育に必要なものがないか?
④ 柿生の住宅、対話
「生活していると一番収納場所が足りなくなってくる。」
対話(アフターケア)によって気づいた視点。
⑤「未完のまま引き渡すことでしか私が好きな形の住文化は出てこない。」p280
『アルフレッド・バーとニューヨーク近代美術館の誕生ーアメリカ二十世紀美術の一研究』
大坪 健二 著
三元社
議題
① P266 ニューヨーク近代美術館の設立が、日本の美術館の設立にも大きな影響を与えたとされていますが、その中でも展示、所蔵されている作品と建築が相乗効果をもたらしていると思う魅力的な美術館、あるいは教育的視点に立って建築された美術館で印象的な空間はありますか。
② 261 中世では建築、絵画は一体であったように思います。現代では時代背景ともに絵画、建築と二つに切り離され発展する中で、新たな作品を納めるために建築が存在しているように思えます。外観では建築意匠を反映させながら、内観では現在主流のホワイトキューブは建築側の介入を感じさせない造りになっています。ホワイトキューブ以上の展示空間を提供の可能性は。
③ P261 アルフレッドは未知数だった近代アート業界において美術館の設立と共に新たな美術の体系を生み出しました。
ある特定の展示スペースを必要としない作品(スプレーアートやインスタレーション)が生み出される中で、今後の展示方法としてバーチャルになる可能性もあるように思います。このような新たな形式の現代アートに対して、今後、美術館という展示の場所の提供は必要なのか?
④ 過去から現在まで芸術作品は、作品=各時代の重要な歴史的資料という一面も担っている。
美術館は展示や適切な保管を通して過去の人類の遺産の保護も担っている。
だが、それを踏まえた上で、新たな体系確立の可能性を見出せるか。
『建築意匠講義』
香山 壽夫 著
東京大学出版会
議題
① 自分の設計を振り返ってみて、空間をどう定義していたのか。本書の空間のあり方について思うことがあるのか?なければ自分の設計における「構築性」と「囲覆性」のあり方について教えてください。
② 本書において、ルイスカーンの「フォーム」と「デザイン」について触れられているが、あなたの設計においてそれぞれを意識しているか。また意識しているなら、詳しく聞かせてください。
③ 本書を踏まえた、入口、窓、場所について、普段設計で意識している事はあるか。
④ この本を読んで秩序とは何だと思いましたか?
『私とは何かー「個人」から「分人」へ』
平野 啓一郎 著
講談社
レジュメなし
議題
① p71~ 分人の三つのステップについて述べられているが、現在のように直接会うことができない状況下で、このステップの変化の過程やこの分類の仕方自体は変わるか、変わらないか。
② p84 「もっと騒がしい店の集いだったなら、私もああいう自分ではなかっただろう。」のように、空間の雰囲気によって分人が変化する・交替することはあると思うが、それを建築の設計に生かすことは可能か、可能ならどのような方法で?
③ p165 文化多元主義、多文化主義について、建築においてはどちらがより良いと考えるか。
④ p172矛盾した分人を持つことについてどう考えるか。
⑤ 人間は「個人」として存在するのではなく、複数の「分人」の集合体であるという考えが主流になったとして、社会はどう変わるか、また建築はどう変わるか。
『丹下健三ー戦後日本の構想者』
豊川 斎赫 著
岩波新書
議題
① 「美しきもののみが機能的である」ことについて考えよう
② 研究室が、私たちの作品にどう影響を与え得るのか
『ラスベガス』
R.ヴェンチューリ 著 / 石井 和紘 伊藤 公文 訳
議題
①文中に、近代建築家たちは、工業のヴォキャブラリーを建築設計に転用したことや、類推、象徴、イメージなどから刺激を受け、設計の契機としたとあるが、みなさんにも同様の経験やそれらを意識し設計に臨んだことは、今日までにあるか。 (p.24-26より)
②ラスベガスでは、「自動車および高速道路と建築のコミュニケーションに関連した新しい空間秩序であり… 」との文中の一節に見られるように、歩行者の視線に加え、自動車のドライバーから見える視線も意識した建築や屋外広告のデザインがなされていることが読み取れます。このような人の視線を意識した建築を体感し、印象に残っているものはあるか。
③本著「ラスベガス」が示すポストモダン建築論、40年経過した今日でも筆者が示した議論は、有効であるといえるか。 また、本著を読み、自分にとっての新しい発見はあったか。
④- コロナ時代を迎えて - 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出禁止令等の影響を受け、ラスベガスの街においても、数々のカジノやホテルが休業に追い込まれた他、其処で予定されていたイベントの多くが中止になりました。コロナが、今後のラスベガスの景色を一変させると言えるか。
⑤ラスベガスの景観をそのまま移植させるという意味ではなく、日本の建築・都市形成の観点から「ラスベガスから学ぶこと」は、何であると考えるか。
『中動態の世界ー意志と責任の考古学』
國分 功一郎 著
医学書院
議題
① 中動態についての認識。読む前、読んだ後の認識の違い。
② 言語は思考の可能性を規定する。(p.111 l12)
日本語と非日本語を使っている時に言語と思考の関係に差を感じたことがあるか。
外国人に対してそう思った経験があるか。
③ 中動態的な体験
初めて訪れる建築空間では多くを感じ取ろうとして何か感覚が繊細になる気がする。
これは体験する私が繊細になろうとする能動と作家の意図した空間を体験する受動との狭間、中動態的体験かもしれない。
普段何気なく体験する空間と初めて訪れる建築空間では何か体験として異なるか。どう違うのか。
④ 建築空間を設計することは中動態的な行為か。
設計者が何が目的があり自発的に決定される線(能動) 何か他の要因によって決定される線(受動) がある。
これは現在、自律か他律かのパースペクティブにある。そこで自律か他律かで引いたとは言い切れない線とは何か。
またその線を考慮に入れて、建築を捉え直す時、建築をつくることにおいて新しくパースペクティブをつくることは可能か。
⑤ 能動と受動の間にあって定義されていないなと感じたものごとってありますか?
『辰野金吾ー美術は建築に応用されざるべからず』
河上 眞理 清水 重敦 著
ミネルヴァ書房
議題
①CP1:p4~より 辰野の建築作品には「辰野堅固」のイメージや彼の性格がよく表れているとあるが、自分の今までの設計活動の中で”自分の性格が出ているな”と思うことはありますか。あるとしたらどんな形で表れていますか。
②CP3:P65~より 辰野は絵画や彫刻が建築と一体化しているものを「美術建築」として本人は目指していたが、身の回りに(知っている中で)美術的要素が加わっていると感じた建築はありますか。
③CP4:p118~より バージェスは辰野に人物画を描くように強く勧めていますが美術建築と人物画で現代でもつながるところはあると思いますか。
④辰野は設計活動の中で一貫して耐震を気にしてどっしりとした立面的にも奥行きの浅い建築を建てていますが、技術が発達した現代でそうした建築が求められる機会や場所はどんなものだと思いますか。
⑤教育者としても建築家としても様々な活動に邁進してきたにも関わらず「建築家にはなるな」という言葉を残したことについて。