2021年度前期 第7回(建築)『プレ・デザインの思想』
小野田泰明 著
TOTO建築叢書
議題
1. 8章以上は普段建築学生が馴染みのない運営の話でした。これらに対してどう思いましたか。全体を通しての感想。
- 今までの設計課題で「行為」、「機能」に関してどう考えてきましたか。「行為」から始めるか、かたちか、機能か
3. 今まで自分が設計してきた建築が自分の想定どおりに働くと思いますか。想定どおりにダイアグラムが働かないことに関して。
4. 51C型(モデルプラン)とそれに連なる現在のセル化に対してどう考えるか。どうしていくべきか
5. 東北大学百周年記念館(川内萩ホール)について。あまりいい建築だとは思えなかった。建築の立ち現れ方と運営プログラムの良し悪しについて。
2021年度前期 第5回(建築外)『生物と無生物の間』
福岡伸一
講談社現代新書
議題
この本は、DNAの二重らせん構造の発見の歴史を主軸に、著者自分自身の科学的経験を組み合わせて、「生命とは何か」という問いを読者に投げかけて、答えようとしています。生命とは、自己複製が可能で、ダイナミックな平衡状態で負のエントロピーを維持する秩序あるシステムです。
1.建築の構成と生命体の構成には共通点があるか? 似ている点があれば教えてください。具体的には、どのような建築がそのような気持ちにさせるのでしょうか。(共通点:例えば、生命体のように、一つのユニットを複製して、建物全体を形成するとか。)
2.建築は「生きているもの」なのか? それとも、機能的に統合された機械体なのか?建築に生命感を与えるデザインとは?また、近年、「植物と共生する」コンセプトが出てくるが、どう思う?
3.都市全体から見ると、都市は有機的な代謝をしているものなのか?そうすると、昔の「メタボリズム」という理論は現在の都市にも活用できるか?
4.現代社会における様々な問題に対して、これからの建築の形は変わると思うか?また、現代都市はどのような方向へ進行するか?(例えば、コロナ禍のため、住宅はどのような変化が起こるか?少子高齢化により、空き家が増えていて、このような家をどのように使うのが良いのでしょうか?都市開発にとって、空き家どのように計画するのが良いでしょうか?)
2021年度前期 第3回(建築外)『新しい哲学の教科書』
岩内章太郎 著
講談社選書メチエ
議題
- 「エモい」をどういう時に使いますか?著書の「エモい」に関する考察(p.266~あたり)に共感しますか?
- 國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』から、暇と退屈の区別から、4つの状態が挙げられている(p.255)。現代的に(3)の状態が問題になっていると筆者はしているが、賛成しますか。
- 観念論と実在論の対決が一つの大きなテーマになっていた。建築で良く語られる現象学は観念論に近いが、これについてどう思う?
- オブジェクト思考論とか哲学的思考法を建築に応用することは可能だと感じますか。意義があると感じますか。(cf.オブジェクト指向存在論p.130)
- 國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』から、暇と退屈の区別から、4つの状態が挙げられている(p.255)。現代的に(3)の状態が問題になっていると筆者はしているが、賛成しますか。
2021年度前期 第3回(建築)『建築の多様性と対立』
R・ヴェンチューリ 著
伊藤公文 訳
鹿島出版会
議題
1.自分が設計したもので、あえて対立性や二重性などを取り入れたことがあるか。取り入れようとしたことがあるだろうか?
2.本書では、対立性や多様性を包含した建築でも、それらの諸要素がトータルに統合され美しい響きをもちうることを良しとした。しかし、矛盾する要素が激しく対立した、不協和音をもつ建築にもよさがあるのではないだろうか?建築に秩序って必要?
3.1966年にこの本が書かれた時の建築の構築方法(モダニズム批判)と現代の建築の構築方法との違いはあるだろうか?トップダウン、ボトムアップ
4.本書では建築家の職能についても語られてるが、現代の建築家の職能はどのように変化しただろうか?